昨日(27日)、セブンイレブン・ジャパンから「税込価格表示の変更について」というプレス発表がありました。
https://www.sej.co.jp/company/news_release/news/2021/202104271300.html


本年3月31日で消費税転嫁対策特別措置法の特例期間が終了し、小売業においては税込の総額表示が強制されましたが、今回の変更はこの法令改正とは別に、従来、1円未満を切捨て表示していた税込価格を小数点第2位まで表示するように変更するものです。

税込価格の合計額と精算額に生じる差額を少なくするのが目的であり、このように税込価格を小数点以下の端数まで表示するのは他社でも行われているものです。
例えば次の写真のように西友における表示は従来から税込価格を下2桁まで表示しています。

この表示を見ると

「税込価格に端数を生じさせるのではなく、税抜価格に端数を寄せればいいのでは?」

と思われる方も多いのではないでしょうか。
消費税額の計算方法には次の2つの方法が認められています
税込価格の合計額に10/110(又は8/108)を乗じて消費税額を算出する
税抜価格の合計額に消費税率の10/100(又は8/100)を乗じて消費税額を算出する

セブンイレブンは2019年に税抜価格をベースに消費税額を算出する方法に計算方法を変更しているため、(詳細はこちらをご参照)小数点以下の端数は税込価格の方に生じてしまうのです。

「それなら、税込価格ベースの計算に1本化すれば良いのでは?」

という疑問も生じますが、小売業以外の企業間取引(いわゆるBtoB)では、通常、税抜価格ベースで取引が行われている関係もあり、一本化を強制するのも難しいという現状があります。

このように消費税の端数処理をどのように行うかは、我々システム開発者も日々頭を痛める論点になっていることを共有していただければと思う次第です。