公認会計士の原幹先生から新刊『1冊でわかる! 経理のテレワーク(第2版)』をご恵贈いただきました。

本書は、2020年に刊行した初版に電子帳簿保存法やインボイス制度の改正などのトピックスを加味してバージョンアップした第2版です。
構成は次の通り。

  • 第1章 社会環境の激変とテレワークへの対応
  • 第2章 テレワークの実際と運用ポイント
  • 第3章 経理業務へのテレワークの導入プロセス
  • 第4章 テレワーク導入で想定されるリスクと対応策
  • 第5章 経理業務プロセスにおけるテレワーク対応の実際
  • 第6章 テレワーク導入に伴う内部統制評価のポイント
  • 第7章 テレワーク対応に向けた規定類の改定
  • 終章 これからの経理業務の姿とは

本書の特徴として、上場企業も参考になる、人事労務関係の情報が充実しているという2点があげられます。

上場企業も参考になる

経理業務のノウハウを解説する書籍は様々なものが刊行されてますが、その多くは中堅中小規模の会社を想定したものです。大規模企業、特に株式を公開している上場企業においては、経理業務に求められる範囲や精度が非公開企業とは異なります。
本書は、上場企業の経理業務を考慮していますので、「第5章 経理業務プロセスにおけるテレワーク対応の実際」において
・決算処理(連結)
・監査対応

といった上場企業特有のプロセスも含んでいます。
さらに、内部統制監査については「第6章 テレワーク導入に伴う内部統制評価のポイント」において章を独立して解説しています。

人事労務関係の情報が充実している

コロナウイルスの流行とそれに伴う緊急事態宣言の発令によって、どの会社もリモート対応を迫られました。その際に会社を悩ませたのは人事労務関連規程の運用です。
例えば
・出退勤をどのように把握するか
・残業時間をどのように承認するか
・通勤交通費の扱い(定期券支給の要否、実額精算方法等)

これら手続きは、規模にかかわらず全ての会社で問題になる論点です。
本書は経理業務を中心にしながら、この点にも目が届いており、「第7章 テレワーク対応に向けた規定類の改定」では、テレワーク勤務規程を例文とともに掲載し、文末のAppendix2には「就業規則のテレワーク対応に向けた改定サンプル」も用意されています。

コロナの感染は徐々に落ち着き始めましたが、人々の働き方はコロナ以前の状態には戻らないでしょう。
本書はポストコロナの新しい働き方を考える際に、参考になる一冊です。