拙書「国語 算数 理科 しごと」が、小飼弾氏のブログで3たび(プレジデント誌書評を含めれば4たび!)紹介されました。本当に、足を向けて眠れません。

「なぜ、人生のもっと早い段階で複式簿記を教えないのか、と。」

教育段階で会計知識を教えることについては、様々なご意見があろうかと思います。実際、私も、多くの教育関係者の方々からご意見をいただき、その難しさを痛感しております。

一方、社会人の方々にとっては、「簿記と決算書」を理解しておかないのは、もったいないことであり、また、大きな損失であると無条件で断言できます。

「簿記の知識はいりません」「決算書が見れなくても大丈夫」というのは、昨今の会計書籍の枕言葉であり、確かに簿記が分からなくても「ビジネスにおける最終的な目的」が達成されるのならば、それは結構でしょう。しかし、それは本当でしょうか?

拙書は「簿記」を教えることを目的としているのではなく、「決算書の動的な変化」換言すれば、「利益の増減」を理解することを意図しています。

組織内における自らの行動が、自社の決算書にどのように影響するのかがわからなければ、どのような部署で活動するにせよ「ビジネスにおける最終的な目的」を達成するのは難しいと考えるからです。

「決算書」を、できあがった他社の「静的な決算書」として学ぶ限り、それをビジネスの役に立てることは困難です。「決算書」の動的な変化を理解する手段には「簿記」の構造を利用するのが一番です。構造を利用するだけですから、本書に「借方・貸方」という単語は出てきません。

「簿記と決算書」の両者を一体で学ぶことが肝要であり、さらに、一体で学ぶからこそ簡単に理解できるのです。

実際、拙書を読んでいただければわかるように、「簿記と決算書」の基本的な枠組みは、たった49ページ(拙書29ページから78ページ)で説明できます。そのうち半分はイラストですから、文章は20ページもありません。

これだけの分量ですから、長い社会人人生を考えれば、一度、お目通しいただいても損はないのではないでしょうか。
(「簿記と決算書を説明した本に、この題名?」と疑問の方々も多いと思いますが、お読みいただければ、題名の意味もご納得いただけると思います。)