日経SYSTEMS誌(日経BP社)2月号の「財務会計丸分かり」実践編 第5回 「ソフトウエア会計」について、いただいた質問について回答します。

ご質問の内容は
「パッケージソフトウエア作成時の会計処理で、製品マスター完成時点とは、どのような状況を指しているのか」というものです。

ご指摘の通り、この「製品マスター完成時点」が、どのような状況を指しているのかは、大変難しい問題です。そこで、今回は、会計基準において、どのように定義されているかをご紹介します。

「研究開発費及びソフトウエア開発の会計処理に関するQ&A」のQ10に以下のような質問があります。

「Q10 :市場販売目的のソフトウェアの制作費について,費用計上と資産計上に関する区分は何に基づいて判定するのですか。」

その答えは
「実務指針では,最初に製品化された製品マスターの完成時点の具体的な判断基準として,機能評価版のソフトウェアであるプロトタイプの制作の有無によって,次の要件を検討すべきであるとしています。
① 製品性を判断できる程度のプロトタイプが完成していること
② プロトタイプを制作しない場合は,製品として販売するための重要な機能が完成しており,かつ重要な不具合を解消していること」

わかったような、わからないような回答ですが、とりあえず会計基準における判断の基準は、上記の通りです。