昨日、6月14日に開催された企業会計審議会総会・企画調整部会において、今後のIFRS対応についての、中間的論点整理(案)が議論されました。

(参照記事:IFRSフォーラム)
http://www.atmarkit.co.jp/news/201206/14/fsa.html

(参照記事:新日本有限責任監査法人)
http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-news/ifrs-news-japan/2012-06-14.html

「今後も、議論を継続していく」というのが、中間論点の落としどころのようです。
【追記】
金融庁のHPで、実際の中間論点整理(案)が公表されています。
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/soukai/20120614.html

一方、同日の14日に、IFRS導入が我国に与える影響について、オックスフォード大学のトモ・スズキ教授に委託したレポートが金融庁から公開されています。

http://www.fsa.go.jp/common/about/research/20120614.html

このレポートが凄いです。
スズキ教授は「日本における性急で強いフォームでの強制アドプションを支持しない」(レポート4ページ)と結論しています。

この結論については、異論がある方もいらっしゃると思いますが、まずは、このレポートを読んでみてください。
200ページを越える大作ですが、面白さに引き込まれること請け合いです。

例えば、70ページの(注釈34)には、あるビジネススクールのファイナンス教官の発言に対して
「会計の機能を理解しない机上の論に終始する学者の言である」
とバッサリ言い切っています。

これは、あくまで一例ですが、文中からほとばしるテンションに圧倒され、今までの、企業会計審議会の議論が霞むような充実した内容になっています。

ちなみに、このトモ・スズキ教授は、私の監査法人時代の同期でありまして、日系の方ではなく、純粋日本人の方です。
普段、話されるときの柔らかい物腰を存知あげているだけに、オックスフォードでやりあっていくというのは、こういいう事なのかと、いたく感心した次第です。

IFRSに御関心のあるかたは必読ですが、IFRSに御関心のない方でも一読をお勧めします。