ネット上で話題の磯崎哲也氏の著作「起業のファイナンス」を出版社の方からいただきました。

本書は、ベンチャー企業におけるファイナンス実務を解説したものですが、作者の問題意識は、ベンチャー企業の設立からEXITに至る道筋を示すことにより起業の啓蒙を図る点にあります。

私自身、監査法人勤務時は企業公開部に属していましたが、公認会計士の場合、既に証券会社等が関与している実績を積んだ会社がクライアントになるため、会計士が設立当初から関与するケースはほとんどありませんでした。

一方、税理士の立場では、企業設立からお手伝いするケースは多いのですが、通常の会社のファイナンスは、「公庫」や「信金」の紹介というレベルにとどまり、エクイティを利用する事例は稀です。

したがって、公認会計士、税理士といった、会計の専門家においても、本書に書かれているようなアーリーステージにおけるファイナンスに関する知識が不足しているのが現状であり、本書は、その空白部門を埋める役割を果たしています。

特に、設立初期の資本調達が、上場時に問題になるケースは多く見受けられますので、現在、公開等を考えていない会社の方々も、一読しておくべき知識でしょう。

また、明日(10月15日)出版に合わせて講演会とサイン会も予定されているようですので、サイン本をゲットするチャンスであります。
http://www.tez.com/blog/archives/001695.html

(内容とは関係ありませんが、本書は改行後の文字送りがありません。ここに、どのような意図が隠されているのでしょうか?)