本日、日経BizPlusに連載している「これならわかる日本版SOX法と内部統制」の第8回分が掲載されました。

字数の制限によって、コラムで表現し切れなかった部分について、このブログで補足しておきます。

今回のテーマは「内部統制監査~『監査』とは何か~」となっていますが、今回のコラムで一番、お伝えしたかったことは、最後の

「単なる「不備」の有無が論点ではないことに注意してください」

の一文です。

そもそも、内部統制という仕組み自体が限界を有するものですから(それは、基準案でも明言されています)、制度構築も、その前提のもとで行われます。

しかし、そこに「監査」や「公認会計士」という単語が表れると、なぜか「完全」、「完璧」、「漏れなく」といった単語が頭をよぎります。

確かに、監査人は監査の過程において、子細な事象にも着目しますが、それが、最終的な監査意見の形成に影響を与えるのかは、別次元のことです。この監査の過程における我々(会計士)の言動と、監査意見との関係が、一般の方々には伝わらないため、「会計士は細かいことばかり見ている」という印象を与えてしまうのでしょう。

あくまでも、監査意見は、監査基準に基づいて述べられ、内部統制監査の基準においては、「重要な欠陥」の有無が論点であり、単なる「不備」の有無が問題ではないことは、実務を進める上で、知っておいていただきたい視点です。