平成30年6月6日付で国税庁から 『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達』 が公表されました。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/kansetsu/0018005-135/0018005-135.pdf

個別通達の公表にあわせて 『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A』 も公表されています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0018005-136.pdf

平成31年10月の消費税率10%への改正と同時に軽減税率制度が導入されます。今後、複数税率が併存するため、税率改正から4年後の平成35年10月には適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)が導入されます。

適格請求書等保存方式導入までの4年間は区分記載請求書等保存方式という現行の仕組みに準じた方法で申告できるのですが、税率改正にあわせて将来の適格請求書保存方式への対応を済ませたいという企業の要請もあり、早めのタイミングで個別通達が公表されたようです。

通達の内容は以下のとおりです。
第一 定義関係
第二 適格請求書発行事業者の登録制度関係
第三 適格請求書発行事業者の義務等関係
第四 適格請求書等保存方式による仕入税額の控除関係
第五 経過措置関係 

(原文は第五の項目番号だけ「第5」と英数字になっております?)

この中でも、実務上の判断が難しいかった共有持分の扱い

(共有物の譲渡等における適格請求書に記載すべき課税資産の譲渡等の対価の額等)
3-5
適格請求書発行事業者が、適格請求書発行事業者以外の者である他の者と共同で所有する資産(以下「共有物」という。)の譲渡又は貸付けを行う場合には、当該共有物に係る資産の譲渡等の金額を所有者ごとに合理的に区分するものとし、適格請求書に記載する法第 57 条の4第1項第4号《適格請求書発行事業者の義務》に掲げる「課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額」及び同項第5号に掲げる「消費税額等」は、自己の部分に係る資産の譲渡等の金額に基づき算出することとなることに留意する。

税額算出時における計算方法の扱い

(課税標準額に対する消費税額の計算)
3-13
その課税期間に係る法第 45 条第1項第2号《課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての確定申告》に掲げる税率の異なるごとに区分した課税標準額に対する消費税額は、原則として、同項第1号に掲げる課税標準額につき、税率の異なるごとに標準税率又は軽減税率を乗じて算出した金額を合計する方法(以下3-13 において「総額割戻し方式」という。)により算出した金額となるのであるが、その課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等(同条第5項ただし書の規定に係るものを除く。)につき交付した適格請求書又は適格簡易請求書の写しを法第 57 条の4第6項《適格請求書発行事業者の義務》の規定により保存している場合(同項の規定により同項に規定する電磁的記録を保存している場合を含む。)には、当該適格請求書又は当該適格簡易請求書に記載した同条第1項第5号又は第2項第5号に掲げる消費税額等及び当該電磁的記録に記録した消費税額等の合計額に 100 分の 78 を乗じる方法(以下3-13において「適格請求書等積上げ方式」という。)により算出した金額とすることができることに留意する。
また、取引先ごと又は事業ごとにそれぞれ別の方式によるなど、総額割戻し方式と適格請求書等積上げ方式を併用することとしても差し支えない。

(課税仕入れに係る消費税額の計算)
4-3
その課税期間に係る法第 45 条第1項第2号《課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての確定申告》に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算につき、同条第5項《消費税額12の積上げ計算》の規定の適用を受ける場合には、法第 30 条第1項《仕入れに係る消費税額の控除》に規定する課税仕入れに係る消費税額の計算につき、令第 46 条第1項《課税仕入れに係る請求書等による消費税額の積上げ計算》に規定する計算の方法(以下「請求書等積上げ方式」という。)又は同条第2項《課税仕入れに係る帳簿による消費税額の積上げ計算》に規定する計算の方法(以下「帳簿積上げ方式」という。)によることとなることに留意する。
また、その課税期間に係る法第 45 条第1項第2号に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算につき、同条第5項の規定の適用を受けない場合には、法第 30 条第1項に規定する課税仕入れに係る消費税額の計算に関し、請求書等積上げ方式又は帳簿積上げ方式のほか、令第 46 条第3項《課税仕入れに係る支払対価の合計額から割戻す方法による消費税額の計算》に規定する計算の方法(以下「総額割戻し方式」という。)によることもできるのであるが、請求書等積上げ方式又は帳簿積上げ方式と総額割戻し方式との併用はできないことに留意する。
(注) 請求書等積上げ方式と帳簿積上げ方式との併用は可能である。

といった論点についても言及されています。

20170313


国税庁『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達』及びQ&Aの公表