2008年4月1日以降に開始する事業年度から、新しいリース取引の会計基準が導入されます。それにあわせて、平成19年度の税制改正で所要の手当てが行われているのですが、気になる点があります。それは、リース取引に係る消費税の扱いです。
 
新しい会計基準では、従来、賃貸借処理が認められていた所有権移転外ファイナンスリース取引についても資産の売買に準じる処理が求められます。法人税法も会計基準にあわせて売買取引とみなすリース取引の範囲を改正しました。法人税法上、資産の売買ということになれば、消費税法もそれにしたがい、仕入税額の控除はリース開始時に契約金額の全額分を一括して行うことになります。

ここまでは、問題ないのですが、気になるのは少額・短期のファイナンス・リースの扱いです。会計基準では、契約期間1年以内や契約総額300万円の重要性がないと認められるリース取引については、従来からの賃貸借処理を認めています。
これに対応して法人税では、賃借料として処理した金額は、償却費として損金経理したものに含めて扱うこととし(法令131の2)、申告調整を不要としています。この流れからいけば、消費税法上も当然に賃貸借処理が認められ、従来どおり、その期の支出金額ごとの仕入税額を控除すればよいと思われます。
しかし、消費税には、そのような特段の扱いがないため、少額・短期のファイナンスリース取引についても一律に資産の譲渡とみなし契約開始時に総額を仕入税額控除することになってしまうのです。

自分は、そのような処理は非現実的なので、今後出る消費税基本通達で整理されるだろうと高を括っていたのですが、税務通信平成20年1月7日号(No2999)によれば、そのような通達の用意はないとのこと。
その記事を一部引用しますと、
「仕入税額控除の時期について、改めて当局に取材したところ、法人税及び所得税の規程上、リースが売買となる以上、消費税について、特段の通達改正を行わなくとも、現行の取扱いで引渡しを受けた時点で一括となることが再確認された。」

「再確認」されちゃったんですか?
経済産業省が公表した「平成19年度税制改正について」には、「実務に影響が生じないよう、所要の措置を講じる」と書いてあったのに。

《追記》1 平成20年3月31日に消費税基本通達の改正がおこなわれ、最終的な会計処理は、この通達にしたがうことになります(ただし、平成20年11月21日に公表された消費税質疑応答事例により、従来どおり賃貸借処理時の仕入税額控除も認められることが明らかになりました)。

2 平成20年度のリース取引に係る消費税改正による混乱を時系列に確認するには、当blog「リース取引と消費税の悲劇」、「リース取引と消費税の再まとめ」も御参照ください。

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