リース取引の話題で中断してしまいましたが、11月20日のブログからの続きで、法人税法における工事進行基準について説明していきしょう。
前回、法人税法においては、工事進行基準の適用について会計基準とは異なる「別段の定め」があると書きました。それは、法人税法第64条に定められています。まず、第1項から見ていきます。

法人税法第64条第1項
(工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度)

第64条  内国法人が、長期大規模工事(工事(製造及びソフトウエアの開発を含む。以下この条において同じ。)のうち、その着手の日から当該工事に係る契約において定められている目的物の引渡しの期日までの期間が1年以上であること、政令で定める大規模な工事であることその他政令で定める要件に該当するものをいう。以下この条において同じ。)の請負をしたときは、その着手の日の属する事業年度からその目的物の引渡しの日の属する事業年度の前事業年度までの各事業年度の所得の金額の計算上、その長期大規模工事の請負に係る収益の額及び費用の額のうち、当該各事業年度の収益の額及び費用の額として政令で定める工事進行基準の方法により計算した金額を、益金の額及び損金の額に算入する。

第1項をまとめると、長期大規模工事(ソフトウェアの開発を含む)については、工事進行基準によって収益認識することが強制されるということです。
会計基準においては、個々の請負工事について「成果の確実性」の有無を判断基準にして進行基準と完成基準を適用しますが、法人税法の世界においては「長期大規模工事」に該当した場合には進行基準を適用しなければならないのです。