拙書 『2時間で丸わかり 会計の基本を学ぶ』 が2015年6月の刊行から1年10ヶ月を経ての増刷となりました。

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この種の実務書は通常のビジネス書よりも商品寿命が長いものですが、刊行から2年近く経って増刷に到るのは稀なケースです。
読者ならびにかんき出版の皆様にあらためて御礼申し上げます。

さらに、今回の増刷に到ったのは、『2時間で丸わかり』シリーズの先達である畑中学氏 『不動産の基本を学ぶ』 や吉澤大氏 『不動産の税金の基本を学ぶ』 らの好調なセールスがあってのことであり、両氏をはじめ他のシリーズ著者の方々にも、この場をお借りして御礼申し上げます。

また、らくからちゃ氏のブログ 「簿記とは何か?10分ぐらいで分かるようにまとめてみる」(はてブが1960も付いている!)で御紹介いただいたことも増刷の後押しとなりました。

刊行から2年近く経っているため、増刷にあたって会計基準や税制の改正箇所を修正したのですが、その中に思わぬ落とし穴がありました。

セグメント情報の説明で、東芝の平成26年3月期の数値を事例として使用していたのです。

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いわゆる「不適切会計」の公表により、当該期の財務数値については訂正有価証券報告書で修正されているため、本書の図表にも大幅な修正作業が生じました。

東芝事件は我々公認会計士業界の根幹を揺るがす大事件でありますが、このようなところで自らの業務に直接影響が生じるとは思いませんでした。

それ以上に、当時の財務諸表をもとに投資判断した人々など、その影響範囲は比較にならないほど多かったはずですし、その判断から生じた結果については事後的な修正などできません。

今回の増刷は、財務諸表の適正性を担保することの重要性と責任をあらためて実感する機会となりました。

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