先週の2月1日、テレビ番組『SOULTRAIN』の名物司会者、ドン・コーネリアスが自らの命を絶ちました。
今日のラジオ番組でドンの追悼特集をやっており、それを聴いていたら、このエントリーを書きたくなったのですが、テーマはドンではなく、同じ2月1日に亡くなったDavid Peastonというソウル・シンガーです。

デヴィット・ピーストンは、ドン・コーネリアスと同日、54歳という若さで亡くなられました。以前から患っていた糖尿病が原因のようです。
テレビ番組の”Showtime At The Apollo”で評判になり、デビュー曲 “Two Wrong”はR&Bチャートで第3位、続く”Can I“も14位とヒットを飛ばしました。

(詳細については、彼のデビューアルバムのライナーを執筆した、評論家の吉岡正晴氏のブログをご参照ください。)

私自身、ピーストンの熱狂的なファンというわけではないのですが、彼のことをよく記憶してるのは、彼のデビューが1989年、つまり平成元年だったからです。
残念ながら、ピーストンは、デビュー以降、目立った活躍がなかったため、私の中のピーストンの記憶は89年のまま止まっています。

以前、当ブログで紹介した、YYというソウル・バーの1989年のランキングで、20位に入っているのが、このピーストンです。
このランキングはマスターの好みだけで選んだものですから、ヒットの程度などは、まったく考慮されていませんが、今、見直してみると当時の雰囲気をよく表しています。

これ以降は、NJSとグループ物が中心となるため、いわゆる「歌えるソロ・シンガー」がメジャーデビューできる最後の時代でした。
その後、歌を売りにする“SOUL”シンガーというカテゴリーは絶滅の危機を迎え、SOULはR&Bと呼び直され、BlackMusicの中心はHIPHOPへと変化していきます。

時を同じくして、89年の12月29日に日経平均株価は過去最高値の38,915円を記録しましたが、それからの24年間、その記録は更新されることなく、現在、その値は1/4以下にまで下がっています。

これでは、昔はよかったというオヤジの思い出話で終わってしまうので、明るいネタをもうひとつ。
David Peastonと同じ年にメジャーデビューしたWillie Crayton、(先ほどの1989年のランキングの第1位の人です)は、今も現役です。
(Willie Craytonの詳細についてはSugar Pie Guy氏のブログの2010年1月分
http://soulful.cocolog-nifty.com/soulog/2010/01/index.html
をご参照ください。恐らく世界唯一のCraytonの完全記録でしょう)

メジャーデビュー作は、さほどヒットせず、最大ヒットシングルの”Never Too Late”もR&B 52位止まりでした。
その後、インディーに移り、地道に活動していたのですが、20年後(!)の2009年に “Love, Romance & Respect”という傑作アルバムを世に出し、その実力の程を見せつけました。

という訳で、日経平均の方も、いつかその実力を発揮する日がくるものと信じております。